2010年10月02日(土) 神御衣奉織作業(神服織機殿神社) (車、徒歩)
昨日、10月1日には神服織機殿神社および神麻続機殿神社において神御衣奉織始祭(かんみそほうしょくはじめさい)が斎行されたので、今日は奉織作業を見学するために両神社を訪問した。
イオン明和ショッピングセンター方面から神服織機殿神社の社叢を目指して歩いた。この道路は神服織機殿神社の正面右手に突き当たる。
突き当たりを左へ、社叢に沿って進むと、
アスファルト舗装道が未舗装にかわり右へ巻くようにつながっている。
神服織機殿神社の正面まで来ると、名が彫られた石柱があり、
鳥居の奥には遠くに建物が見える。
参道を進むと左手奥に斎館がある。
その先右方向には空間が広がり、神服織機殿神社(左)、八尋殿(右)が見える。奉織作業は八尋殿で行われる。
時刻は8時過ぎ、奉織作業はまだ始まっていなかったので、神服織機殿神社およびその左右にも配置されている末社にも参拝した。前回の訪問時に清掃されている方に教えてもらった方法(最初、神服織機殿神社に参拝、左を向き末社2所に参拝、振り向いて末社4所に参拝。実際末社は8所だが、残りの2所は神服織機殿神社の御垣の内側にある。)で参拝した。
【参考】末社の配置等について、 斎宮、小俣めぐり
神服織機殿神社の前面には、仮設の向拝が建てられていた。どうも神御衣の奉織期間だけ設営されるようだ。
八尋殿の扉は閉ざされており、奉織作業が始まる気配はまだなかった。
斎館の前にある祓所らしき場所には小さな紙片が残っており、昨日の祭典の名残りが感じられた。
しばらくすると織子の方々が車で集まり始めたが、奉織作業が始まるまではしばらく時間がかかると判断し、先に神麻続機殿神社の奉織作業を見学することとし参道を戻った。
ふと右手を見ると苔むした手水石が傍らに。かなり年季が入っていそうだが、形状は綺麗に整えられている。右側の文字を読み取ることができなかったので、設置された年は?
また、参道の両側にある木々はしっかりと枝打ちされている。
入口の鳥居まで戻ってくると、車止めが外されていることに気づいた。社域の外側には駐車スペースが無いので、織子さんたちの車はどんどん社域へと入って行き、斎館の前から参道脇に駐められた。
神服織機殿神社を出て、正面の道路をまっすぐに進み、振り返ってパチリ。
農道から一般道へ出てパチリ。
このあと、神麻続機殿神社の奉織作業を見学した。
【参考】 神麻続機殿神社の奉織作業 は 神御衣奉織作業(神麻続機殿神社)
神麻続機殿神社から戻ってくる途中、神服織機殿神社の社叢をパチリ。
遠くから社叢を見て気づいたことがあった。地面から2~3mの高さまでは綺麗に刈り込まれている。写真では分かりにくいが、実際に見ると自然と人工の調和を感じる。
また、社叢周囲の所々には木々の間隔がおおきく開いており、植樹されていた。
再びの参道を急いで八尋殿へ向かうと、御垣の門扉は開かれており、そこにかけられた白い布が風に揺れていた。
御垣の隙間から八尋殿をうかがうと、すでに奉織作業が始まっていた。
しばらく拝見していたが、機が織られる心地よい音はなかなか続かない。頻繁に糸が切れてしまい、糸をつなぐ作業に時間がかかってしまうようだ。織子の方もご苦労なことである。
八尋殿の左側にも扉があり、採光されている。
こちらには糸巻車が見えた。
その奥では、真剣な奉織作業が続いている。
八尋殿の周囲では、カラスが我が物顔で空を飛び交い、「カーカー」の鳴き声がこだましていた。
この声は奉織作業に同化しようとする私を現実世界へ引き戻そうとする悪の声に聞こえてしまった。でも、カラスも自然であるからこれがありのままの状態なのか・・・
もしかして、織子さんにはカラスの声なんて聞こえていない、いや気にもならないのかも。
奉織期間は年2回数日とは言え、暗い八尋殿のなかで細かく神経をすり減らす作業、
伝統を受け継ぐ大変さを実感し、神社をあとにした。
インターネット拝見しました。私は衣の研究をしており、現在京都の大学で非常勤をしております。八尋殿での機織りの様子、興味深く拝見しました。
私も見学に行きたいと思っていますが、事前に申し込みはいりますか?また10月1日以外、例えば2・3日でも織っておられるところは拝見出来るでしょうか?
オカモトさん
コメントありがとうございます。
> 事前に申し込みはいりますか?
不要です。
> また10月1日以外、例えば2・3日でも織っておられるところは拝見出来るでしょうか?
「伊勢神宮の衣食住」 矢野憲一 著 (角川ソフィア文庫)によると、10月1日には神御衣奉織始祭が斎行され、その後早くて5~6日、長くかかると10日まで奉職されるそうです。
私は神御衣奉職始祭の直後の土曜日か日曜日に訪問しています。また、神宮の神職が神御衣奉織始祭から二週間、斎館に常駐されていますので、詳しいお話を伺えると思います。
ちなみに、神宮での神御衣祭は5月と10月の2回斎行されます。そのために神服織機殿神社および神麻続機殿神社にて絹、麻がそれぞれ奉織されます。
最後ですが、「神宮巡々」にて「神御衣」を検索キーワードで検索していただくと、他の記録もご覧いただけます。
私は体験のみで、知識はありませんが、なんなりとご要望ください。
では、また、