2013年03月17日(日) 一色神社例祭奉納能(伊勢市一色町) 動画あり (車、徒歩)
伊勢市一色町にある一色町公民館にて、一色神社例祭奉納能(通称、一色能)が上演された。
2月より案内状をいただいていたので拝観を心待ちにしていたが、ここ数日は花粉症の症状が鼻にきてしまい、鼻水とくしゃみ・・・。公演の邪魔にならないかと心配し、一時は拝観をとりやめようかとも思ったが、イオンで花粉を寄せ付けなくするクリームとマスクのおかげで小康状態を保つことができた。
くしゃみが出始めたら会場を後にする覚悟で、一色町公民館へ向かった。受付で記名を終えると次の一色能 翁(伊勢だより – 赤福)をいただいた。
この伊勢だより、先日の栄通神社での「通り能」の際にも見かけた。
【参考】
開演の20分ほど前に会場へ入ったが、撮影に適した会場の最後列には多数のカメラマンがスタンバっていた。最後列での撮影は諦めて適所を探したところ、最前列の右端が空いていた。柱の脇に三脚を立てれば演者にも周囲の拝観者にも邪魔にならない。なお、今回はシャッター音で公演を邪魔しないように無音設定できるコンデジを2台用意したのでこの場所でも安心だった。
開演までしばし待機。 舞台上の三方には神酒が・・・。
しばらくすると、奉納能の上演に先駆けて神事が斎行されるとのこと。(数分間)
その三方は橋掛かりを通り、揚幕の先へと運ばれた。
【神事】
幕の内側では神事が執り行われ・・・・、突然笛の音が・・・。これで私も神事を体感できた。
(動画 2分04秒、1.8MB)
神事が終了すると、柔和な雰囲気の司会者が登場した。
奉納能の開始かと思いきや、来賓の挨拶、挨拶が終了するとついに開演、舞台が動きだした。
私は能や狂言は不案内なので演目に関する解説は次の演目説明をご覧いただくこととし、ここでは撮影した動画および写真と簡単な進行の説明のみを掲載するにとどめた。なお、機材の扱いに不手際があり、一部の公演の前後が撮影しきれてない動画がある。(ご容赦を)
まずは、
【能役者の登場】
(動画 4分22秒、5.3MB)
面箱、翁、神楽、三番叟・・・
翁が正面で拝した後、
右奥へ座すとその前に面箱が置かれ、蓋が開けられた。
【神楽】
そして全員が着座するかしないかのタイミングで神楽が開始された。
演目解説にあるように、神楽とは四方拝に続き四方堅めの神事を行い神慮を慰め、祈りを捧げる儀式だ。
(動画 6分03秒、7.5MB)
【翁】
神楽が終わると翁が開始された。
(動画 15分34秒、19.1MB)
【三番叟】
そして最後に三番叟。
(動画12分40秒、16.3MB)
出番を待っていた少女も鼓と笛の音に誘われて・・・。
以上で翁の上演は終了。
なお、一色町能楽保存会は今年『催花賞』を受賞した。
観世寿夫記念法政大学能楽賞は、世阿弥の花の思想を 体現し、常に"能とは何か"を問いつづけ、1978年12月 7日、53歳で急逝した観世流の能役者、観世寿夫氏の 能界劇界における業績を記念して、遺族からの寄金に 基づき法政大学が1979年6月に設定しました。 顕著な業績や舞台成果を示した研究者・評論家・能役 者、能楽の普及に貢献した個人・団体に贈られ、毎年 命日の清雪忌に発表しています。 催花賞は、「観世新九郎家文庫」寄贈を記念して設定 された「服部記念法政大学能楽振興寄金」に基づき、 1988年4月に設定された賞で、地方在住の能楽囃子方、 ワキ方等の功労者をはじめ、後継者の養成、能楽の普 及、囃子事や地方能楽の研究等の功績を顕彰していま す。 二つの賞とも年々その評価が高く、これらの選考実務 も能楽研究所の事業の一つです。 (能楽賞 | 野上記念法政大学能楽研究所 より引用、着色は筆者)
【参考】
そのため今回の奉納能では、特別に「催花賞受賞記念 番外」として、一色町能楽保存会をご指導されている高林白牛口二(たかばやしこうじ)さんによる舞囃子 高砂が上演された。
【参考】
【舞囃子 高砂】
高砂が開始される前はこのような状態だったが・・・。
(動画 6分15秒、11.4MB)
上演時はこんな状況になった。それは当然だ。普段指導を受けている先生が目の前で演じるのだから是非とも拝見したいだろう。子供たちも身を乗り出して・・・。彼らに加え、私も貴重な体験をさせていただけた。(感謝)
高林白牛口二さんによる高砂が終演となった。
すると、私の鼻がぐずり出した。花粉症の症状が・・・。これ以上は耐えられそうになかったので、今日のところは一色町公民館を後にすることにした。(来年は花粉対策を万全にしなくては・・・。)
公民館の中はもちろんのこと、外にも多数の拝観者が集まっていた。
道路へ出ると・・・。「あっ、舞台に面した窓・・・」、人だかりになっていた。
こんな感じ、
そうか、窓が外されていたので、ここからも能を見ることができた。
後ろ髪を引かれつつも・・・、
一色神社にお参りを終えてから帰路についた。