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映画「スケッチ・オブ・ミャーク」体感(伊勢河崎商人館 角吾座)

2013年04月27日(土) 映画「スケッチ・オブ・ミャーク」体感(伊勢河崎商人館 角吾座) (徒歩)

映画「スケッチ・オブ・ミャーク」との出会い、それは伊勢市立伊勢図書館に置かれていた一枚のパンフレットだった。

「スケッチ・オブ・ミャーク」のパンフレット

「スケッチ・オブ・ミャーク」のパンフレット

「スケッチ・オブ・ミャーク」のパンフレット

「スケッチ・オブ・ミャーク」のパンフレット

 

このドキュメンタリー映画に私がとても興味を抱いたのには次の背景があったのだろう。

約3年前、このブログを始める契機となったのが「お伊勢さん125社まいり」だった。あれから125社を数回巡った。さらに、神社仏閣に興味を持ち、神宮以外の神社にもお参りしているから延べにすればお参りした神社の数は1,000社に近づいているかも知れない。

神社では例大祭など多くの祭典が執り行われる。皇祖神である天照大神をお祭りしている伊勢神宮は別格としてさらに裾野を広げると産土神や氏神を祭る地域の小さな神社でもさまざまな祭典が斎行されている。そして、その主体は地域の住民であり、祭典だけでなくそれに伴うお祭りなどが繰り広げられる。

しかし、最近は生活環境、習慣の変化、少子化、過疎化、地域社会関係性の希薄化などさまざまで複合的な理由から従来は地域に根付いていたお祭りが存続の危機を向かえている。

ここ2年ほど多くの地域の「御頭神事」を追いかけているが、これらの神事の現状もさまざまである。例えば、私が知る限りでは、須原大社は一時期途絶えた神事を地元の力で復活させた。また、世木神社、箕曲中松原神社、茜社および今社では御頭の舞手を地元では出せないため、他の地域の舞手に応援してもらって神事が継続されている。なお、この様な社会環境のなかでも地域によっては積極的に後継者を生み出す活動を進めているところもある。このような現状を目の当たりにし、民衆によるお祭りの継続、伝統を引き継ぐことの難しさを痛感している。

【参考】

 

ある氏子総代の方からこんな話を聞いた。「祭日を式日ではなく、土日に変更するなり、神事で簡略化できるところは簡略化しないと神事を継続できなくなる。最近はサラリーマンも多く、平日に休むこともままならない。・・・」

確かに、お祭りの目的は五穀豊穣や大漁祈願であることが多く。昔、祭りの担い手は第一次産業に関わる者が多かった。つまりその目的は自らの仕事に直結していたと言える。

古式のままにお祭りや伝統芸能を後世に残したい気持ちも分かるし、現在の環境ではそのままに残し継続することが難しいのも分かる。ジレンマだ。

 

また、祭典やお祭りを拝観しているなかで、人と神との関わりあいについて考えることが多くなり、最近では(里)神楽に関する本を読んでいる。例えばこちら。

本「神楽と出会う本」三上敏視 著(ARTES発行)

本「神楽と出会う本」三上敏視 著(ARTES発行)

 

こんな私に誘いの手を差し出してきたのが、この映画「スケッチ・オブ・ミャーク」だった。『見ないでは済まされない。』そんな思いからチケットを予約した。

【参考】

 

特にこの映画は観るのではなく体感したいと思い、先入観が入らないように予備知識なしで望むことにした。

 

前フリが非常に長くなってしまったが、当日はワクワク、ドキドキの状態で伊勢河崎商人館へ向かった。以前、こちらで古文書勉強会(現在、休講中)に参加させていただいていたので、顔見知りの事務局の方にご挨拶し、伊勢角吾座である蔵へ向かった。

母屋から望む角吾座(伊勢河崎商人館)

母屋から望む角吾座(伊勢河崎商人館)

母家から蔵へ向かって正面に見えるのが伊勢角吾座だ。

河崎角吾座(かどござ)(伊勢河崎商人館)

河崎角吾座(かどござ)(伊勢河崎商人館)

 

その壁面には次の張り紙。

「スケッチ・オブ・ミャーク」の会場案内

「スケッチ・オブ・ミャーク」の会場案内

隣の河崎まちなみ館が玄関となっている。

河崎まちなみ館と河崎角吾座(伊勢河崎商人館)

河崎まちなみ館と河崎角吾座(伊勢河崎商人館)

 

受付を済ませて河崎角吾座へ入ると天井を見上げた。見覚えのある天井だ。

角吾座の天井(伊勢河崎商人館)

角吾座の天井(伊勢河崎商人館)

上映開始時刻が迫ると次々に席が埋まり、上映直前には満席となった。

「スケッチ・オブ・ミャーク」上映直前(伊勢河崎商人館 角吾座)

「スケッチ・オブ・ミャーク」上映直前(伊勢河崎商人館 角吾座)

そして、映画が始まった。

 

 

2時間弱があっという間に・・・。

沖縄県の宮古諸島における「人」と「神」との関わり、「人」と「人」との関わり、「人」と「歌」との関わりをスケッチブックにエッセンスを描き出すような写真集風のドキュメンタリー映画で、さまざまに感じさせ、考えさせるものだった。その中で私が特に気になったシーンは3つ。

【とても気になったシーン】

  1. 祭場である御嶽(うたき)へお供え(御饌?)を運ぶ際、頭上に載せていたこと
  2. 神司と呼ばれる神事を司る役に選ばれた女性がペットボトルを手に取り、その蓋を開けるとまずは中身を地面に滴らしてから口にしたこと
  3. 長崎トヨさんが食事のおかずを作っている横でご主人(多分)がお茶椀にごはんをよそっていたこと

【その理由】

  • 1.は私が目にする祭典とはまったく異なる式次第、方式によるものでとても興味深い。
  • 2.は多分神様に捧げてから自らに与えようとしていると思うが、飲み物を口にする際にも神を意識している。いや、意識しているのではなく身体に染み付いているのかも知れない。我々の多くは自分の都合が良い時にしか神を意識することはないと思うが、彼女達は常に神とともに居ますの状態にあるのではないだろうか。
  • 3.はよく分からないが、とても印象に残っている。

この映画はボディーブローのように後から効いてくるような気がする。

ただ、私には良い意味でもの足りなさも残った。もっと神事を感じたかった。もっと神歌を聞きたかった。継承についても知りたかった。・・・

 

上映が終了すると続いて大西功一監督によるトークショーが実施された

大西功一監督によるトークショー(伊勢河崎商人館 角吾座)

大西功一監督によるトークショー(伊勢河崎商人館 角吾座)

大西功一監督によるトークショー(伊勢河崎商人館 角吾座)

大西功一監督によるトークショー(伊勢河崎商人館 角吾座)

質疑応答では徐々に盛り上がりを見せ、最後には絶好調の状態で、映画「スケッチ・オブ・ミャーク」は終了となった。(感謝)

 

私は伊勢河崎商人館を後にし、

伊勢河崎商人館(伊勢市河崎)

伊勢河崎商人館(伊勢市河崎)

歩きながら映画のシーンを回想していた。

自宅へ近づくと、田植えが終わった水田と遠くに見える御薗神社の社叢をなぜか撮っていた。

田植えを終えた水田と御薗神社の社叢(伊勢市御薗町)

田植えを終えた水田と御薗神社の社叢(伊勢市御薗町)

 

久々にハマる映画を体感できた。出演者をはじめとする宮古の皆さん、発案者の久保田麻琴さん、監督の大西功一さん、エンドロールに名前を連ねられた多くの皆さん、そして伊勢での上映を実現してくださった渡邊さんをはじめとするスタッフの皆さんに感謝したい。(ありがとう!)

今まで意識になかった宮古諸島、さらには沖縄、興味が広がった。さあ、これからどうなることやら!

ちなみに8月にはDVD化されるそうだ。

 

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