一万日連続登山に挑んだ男 東浦奈良男写真展

2012年10月08日(月) 一万日連続登山に挑んだ男 東浦奈良男写真展 (車、徒歩)

伊勢市立伊勢図書館で開催されていた東浦奈良男 写真展を訪問した。

東浦奈良男 写真展パンフレット(1/2)

東浦奈良男 写真展パンフレット(1/2)

東浦奈良男 写真展パンフレット(2/2)

東浦奈良男 写真展パンフレット(2/2)

 

以前、朝熊山に毎日登るおじいさんの噂を聞いたことがあったが、実在する人物とは思っていなかった。

この写真展を拝見し、私は頭をハンマーで殴られた感覚を実感した。

噂のおじいちゃん(東浦奈良男さん)が朝熊山へ毎日登ったのは事実だった。なお、朝熊山だけではなく自宅がある小俣から遠く離れた山へも日帰りの山行を重ねた。まずは比叡山の千日回峰行に影響を受けて千日を目標に、それが二千回、三千回、最終的には一万回連続登山が目標となったそうだ。連続の記録を途絶えさせないために雨の日も嵐の日もさらに自分自身が車に轢かれた日でさえ続けられた。富士山にも夜行列車を駆使して日帰りで・・・。しかも富士山には生涯を通じて368回も登っている。

連続記録も型破りであるが、東浦奈良男さんの山行スタイル・ポリシーも型破り。ザックや雨具など登山道具は手元にある材料を利用して自分で作り、足元は晴れなら運動靴、雨なら長靴、さらに長時間休憩もせず水分も補給せずに歩き続けた。しかも運動靴には多数の切れ目が入れられた。縛られる、圧迫されることに耐えられなくて靴の当たる部分を開放するためだったそうだ。

そして、一日一山の連続記録は27年間も続けられたが、体調を崩した後に極度の疲労で登山を断念し9738日で途切れた。平成23年(2011)6月25日のことだ。それにしても途方もない記録。

 

私は長い時間、展示写真に見入ってしまった。

 

人間には何でもできる底知れないパワーが秘められていることを証明してくれた東浦奈良男さん、実は同じ伊勢市民だったんだ。今となってはお会いできない。残念だ。昨年、平成23年(2011)12月6日に他界された。ご冥福をお祈りする。

 

東浦奈良男さんの言葉には感銘を受けるものが多いが、なかでも私にしみたのはオペル冒険大賞チャレンジ賞を受賞したときの日記の記述だ

・・・ すべてを感じとっての一歩一歩、13年は一歩につきる。一歩に始まって一歩に終わる。
答の核心は一歩だった。今の一歩にすべてを感じなければ続けられません。
登山は行動であって、一歩一歩の集積です。
感じているだけ、心だけ、気持だけ、思っているだけでは行動にならないのです。
人生は一歩の中にある。歩巾の中に全てを賭ける。人生は一歩に尽きる。
30cm足らずの一歩に全宇宙、天地万象、風雨雪、感応千変万化する一歩一歩から感じとるものは無量。
一歩無量、一歩無尽、一歩を見、一歩に感じる
平成9年(1997)4月12日

この記述は図書館で配付されていた次の資料に掲載されていた。

図書館だより 2012年10月増刊(伊勢市立伊勢図書館)

図書館だより 2012年10月増刊(伊勢市立伊勢図書館)

【参考】

図書館だよりの No.128 / 10月号(PDF)に本冊子の元になった記事が掲載されている。

 

なお、今回の写真展は東浦奈良男の山行に同行取材された吉田智彦さんによるもので、著書は「信念 東浦奈良男 一万日連続登山への挑戦」だ。

【参考】

吉田智彦(フリーランスライター、カメラマン、絵本作家)さんのウェブサイト。

 

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