2012年04月28日(土) 伊勢本街道(東向商店街~近鉄天理駅) (電車、徒歩)
『近鉄週末フリーパス』とゴールデンウィーク にて計画した「奈良三昧」の第一日目の最終回。
伊勢本街道(下鳥見橋(富雄川)~東向商店街)の続きで、まっぷを「近鉄 てくてく まっぷ 伊本-4[伊勢参宮 本街道4]なかまちから帯解コース」に持ちかえた。
【参考】
東向商店街の中央辺りから興福寺へ向かう坂道を進むと
左手には特別開扉されている興福寺北円堂が見える。
とりあえず今回はパス。
その代わりに桜を五重塔の一部をパチリ。
興福寺東金堂と五重塔もパチリ。
その後、南円堂まで戻りお参りした。
お参りしてから気づいたが、南円堂の斜め前には立派な手水舎が建っている。井戸とセットになっているようだ。
ここにいると時間がいくらあっても足りなさそうだ。今日の目的(伊勢本街道を歩く)を再認識して石階を下った。
が、石階下の右手に広がるこの光景を見たらまたまた寄り道してしまった。左の奥には三重の燈が建ち、石仏群の後ろには「摩利支天石」が置かれている。
石仏群を離れ、猿沢池の辺へ出ると視界がパッと開け、「さぁ天理へ向うぞ!」という気分になった。
私の目の前を人力車が通り過ぎ、
駕篭の前を私が通り過ぎた。
猿沢池は古さと新しさが何となく融合された感じだ。パチリ。
元興寺・ならまちへの道案内に従い、
常夜燈の間の狭い路地へと向かうと
率川橋の下に、多数の石仏が置かれている。赤い前掛けは誰がどのように掛けているのだろう。川の中を歩いて渡るのか?
狭い路地には古い家並みが続く。商店街の看板には「奈良町通り」「今御門商店街」の文字が見られる。
次の角には猿田彦神社(道祖神)が建っている。
さらにその先には住吉神社。
広い道路を渡ると左角には「奈良町情報館」がある。商品の販売が主のようにみえるが、レンタサイクルもあり、文字通り観光情報を教えてくれるようだ。
これが情報館でもらった奈良町のおさんぽMAP。飲食や買い物に関するお店の情報がぎっしり。
そして奈良町情報館の近くには次の道標が建っていた。「右 なんえん堂 さるさわ池」「左 かすが 大ぶつ」
しばらく歩くと突き当たりに「漢方薬 菊岡」があり、道が左右へ分かれる。
まずは、左へ、そしてすぐを右へ。そこには「吉田蚊帳」がある。蚊取り線香と蚊帳は夏の風物詩だが、蚊帳を知っている人はどれくらいいるだろうか?
さらにその先左手には「元興寺」の石柱と「史蹟元興寺塔阯」の石柱の間に山門が見える。
参道を進むとさらに山門があり、「元興寺」の銘がある。
門をくぐりまっすぐ進むと突き当たりに元興寺塔阯があり、礎石が残っている。
また、元興寺塔阯の左奥には燈籠があり、「啼燈籠」と説明があった。
延享年間(1744~1745年)今の大丸呉服店その頃京の伏見に下村家あり 代りの燈籠を奉納して古燈籠を申し請いて自宅に運ぶ
それ以来夜毎家鳴り振動して家人怖れを為しその音を聞くに燈籠より発したれば
元の如く此所に安置したりと伝ふ
元興寺の境内の猫は誰が近づいてもビクともしない。
ところで、「奈良町」とは猿沢池の南側に東西、南北約500m四方の地域の俗称で、もとは元興寺の境内だったそうだ。 現在の元興寺からは想像もできないが、境内を行き来するだけでのかなり時間がかかったことだろう。
元興寺を出ると近くの御霊神社にお参りした。
鳥居を門をくぐると、右手に手水舎があり、心身を清めた。
さらにその奥には社務所、
そして正面には拝殿がある。まずは、お参りした。
本殿の左には 「八尋殿」と書かれた建物がある。
ちなみに伊勢神宮に関連する「八尋殿」は神御衣を織る社殿だ。そういえば現在織られている最中だろう。
【参考】 (2011年05月01日の記録)
御霊神社の門まで戻ると境内の角地に祓所社と出世稲荷社が建っている。
御霊神社を出ると、先ほどの「漢方薬 菊岡」へ戻るために反対側の路地を進んだ。先に「漢方薬 菊岡」まで戻ってから折り返してくると「奈良町資料館」には身代わり申が多数吊られていた。
さらに、こちらが庚申堂。
3匹の申が線香縦を頭に載せている。
庚申堂の壁面に次の張り紙があり、庚申堂と申の関連が明確になった。
「三尸(さんし)の虫」退治
悪病や災難を持ってくるという「三尸の虫」は、コンニャクが嫌いだったので、人々は、庚申の日にコンニャクを喰べて退治した。
「三尸の虫」はもう一つ猿が嫌いだった。
猿が仲間と毛づくろいをしている姿はまるで「三尸の虫」を取って喰べているような格好に見えたので「三尸の虫」は恐れをなして逃げてしまったと言う。
そこで人々は、いつも家の軒先に猿を吊るして悪病や災難が近寄らないようにおまじないをしているのです。(奈良町の伝説より)
また、この近くにかなり弱った門があり、その前には「史跡 元元興寺小塔院跡」とあった。
門の中へ入り、御堂にてお参りしたところ、近くにいたおじさんが「ありがとうございました。」とお礼を述べてくれた。(お参りしてお礼を受けることはなかなかないので、少し驚いた。)
奈良町の輪状の路地の散策が終了したんで、天理へ向かう街道へ戻った。奈良元興寺郵便局の前を通り、
ならまち格子の家。こちらではトイレを借りた。
また、この前には高林寺がある。山門の格子戸にはワイヤーロックが掛けられていた。拝観はできないのだろうか?
このペース(寄り道多数、各所で時間経過)で進むと天理への到着がかなり遅くなると思われるので、早足で極力寄り道しないで歩くことにした。ならまち振興館はパチリのみ。
つぎの交差点で横断歩道を渡り、中辻町街区公園の横を進むと
右手に二基の常夜燈が見えてきた。左の常夜燈には「春日大明神」「天照皇太神宮」「八幡大菩薩」、右の常夜燈には「金毘羅大権現」「文政十三年・・・」とある。
名前の分からない橋で能登川を渡り、
岩井橋で岩井川を渡ると
右手にはJR桜井線の架橋が見えた。
ここから20分ほど黙々と歩き、地蔵堂に到着した。
地蔵堂の近くに「帯解寺 400m」の案内板が見えた。そこには「美智子皇后陛下安産帯献納所 帯解子安地蔵 安産・求子祈願所」とも書かれている。
地蔵院橋で地蔵院川を渡ると帯解寺は目の前だ。
山門の左手に回り込んでパチリ。
石段を上がり山門をくぐると、境内の右手では「安産帯」が授与されている。
私はすべての方の安産を祈念してお参りした。
駐車場側の出入口から帯解寺を後にし、振り返ってパチリ。
しばらく歩いていると、またまた「帯解」の文字が見えた。こちらは、龍象寺(帯解子安地蔵尊)とある。
まずは本堂へお参りししてから境内を散策。といってもそれほど広くはない。
右手には藤棚があり、見頃を向かえていた。
龍象寺(帯解子安地蔵尊)を離れる前にパチリ。
すぐ近くには奈良市立帯解幼稚園があり、この前を通り過ぎた辺りで足に違和感を覚えた。これは脱水症状に思える。そう言えばこんな暑い日にもかかわらず水分摂取が少なかった。いまさら遅いと分かりつつも身体にしみ渡らせるようにペットボトルのお茶を飲み、少し休憩した。残り5km弱、無理せずに頑張ろう!
そんな理由で歩みは少しスローになった。
それでも着実に歩を進め、高井病院の前を通過。
蔵之庄大橋で菩提仙川を渡ろうとすると、
橋の手前左側に地蔵堂があったのでお参り。
さらに、橋を渡ると右側に稲荷神社があるので、こちらでもお参り。寄り道で気分も変わり、適宜の水分補給とともに両足の不調も回復してきたようだ。
左手に見える奥田眼科(歴史を感じさせる建物)の前を過ぎてしばらくすると
左手に社叢が見える。楢神社だ。
銅製鳥居が特徴的だ。
拝殿にてお参り。境内は割と広いが散策する心の余裕がなかったので、
由緒等がかかれた資料をいただいて、楢神社を後にした。
その先には長林寺があり、先の角には「(左矢印) 和珥坂下傳稱地道」および「左 不動山大師道」の石標が建っている。
その前を通りすぎると前方に高瀬川に架かる土橋が現れる。
橋を渡り、さらに進むと次の常夜燈が建っている。そこには「愛宕山」の文字。
さらにその先、左手には大阪府奈良警察署櫟本分署跡がある。
また、市場自治会館の前には
『「馬出」の町並み』の案内板があり、市場自治会館の左の奥へ向かうと
「馬出」の町並みの名残りが見られる。馬のたずなを繋いだ横木が見られる。
本日の街道歩きも最終盤、残すは2kmほどだ。西名阪自動車道のガードをくぐり、
次の交差点を左折、西名阪自動車道に沿って進むと右手に在原神社がある。鎮守の森の雰囲気だ。
まずはお参り。
境内には業平に関する井戸、在原寺の石柱などある。じっくりと散策すればおもしろいだろう。
この辺になると電車の時間が気になり(伊勢まで帰るためには、一本乗り過ごすと一時間待ちになるため)、少し足早になった。気付いてみると、足の不調は回復している。
天理市立石上見児童館の前を通り過ぎ、
道路が左へ曲がる地点、
その右手には隠れるようにして常夜燈が建っている。
常夜燈を通りすぎると左手に祠があり、この近くにはしめ縄が巻かれた大木が立っている。
その先の路傍に次の道標「右 者(は)せ」があるので、ここを右折だ。
この辺から天理教に関する施設が多数・・・
あとは、まっぷに従い、
天理駅へ到着した。
結局、計画通り、天理駅を16時16分に出発し、伊勢市駅に到着したのが18時半頃だった。
本日は寄り道も多く、かなり充実した一日だった。
伊勢本街道を歩いた昔の人々は日々の積み重ねで伊勢まで歩き続け、しかも来た道を戻ったのだから、それに比べれば大したことがない一日だった。
明日は、吉野。続けて歩くことの大変さを実感しよう。
【 20120428の記録 】
- 伊勢本街道(南生駒~下鳥見橋(富雄川))
- 伊勢本街道(下鳥見橋(富雄川)~東向商店街)
- 伊勢本街道(東向商店街~近鉄天理駅)