2011年10月08日(土) 近鉄 お伊勢参り 第七回 その2/2 亀ヶ広から近鉄 川合高岡駅へ (電車、徒歩)
近鉄 お伊勢参り 第七回 その1/2 近鉄 榊原温泉口駅から亀ヶ広へ にて雲出川の赤岩橋付近で昼食をとった後、川合高岡駅を目指して出発した。
【補足】
- コース周辺の道標、常夜燈などについては、先日みえ歴史街道ウォーキングマップで貰った「初瀬街道」版も参考にしたため、写真のタイトルに「(み歴マ 初瀬 64)」とある場合、「みえ歴史街道ウォーキングマップ初瀬街道の(64)」を示している。
- また、コースマップ(2170)は近鉄から受け取ったコースマップ上でのスタート地点からの距離を表している。
雲出川の左岸を歩いていると綺麗な砂を発見。思わずパチリ。
小川橋を越えてさらに進むと工事看板に近鉄のコース矢印が貼ってあった。「左笠着地蔵、右さかさ地蔵(左奥の方)」とある。
左手には笠着地蔵。笠を着ているのではなく、次のように説明されている。
幼少の真盛上人が笠に載せて流されたが、その笠は川を遡りこの渕にたどり着いた。その奇跡にちなみ刻まれたのが笠着地蔵で、笠着き地蔵または逆着き地蔵とも呼ばれている。
「着」は「着る」ではなく「着く」の意味か!
笠着地蔵の向かい側、雲出川には大きな岩があり、道路沿いにはこれだ。
さかさ地蔵の前では語り部さんによる説明が始まった。
この岩は安政の大地震で笠着地蔵が刻まれた岩が割れ、雲出川へ転げ落ちたもので地蔵が逆さを向いてしまった。当時は水量が多くこの地蔵は水中にあったが、ダムができあがり水量が下がると姿を現した。
左下の部分が
さかさ地蔵で、
右の上にあるものは後の時代に掘られたものだ。
視線を笠着地蔵に戻すとこれだ。
かさつき地蔵と刻された標石の先にある祠まで上ると
語り部さんが説明を続ける姿が見えた。(感謝)
この場所を後にしようとすると、この案内板が目に入った。確かにさかさ地蔵が見える。これだ。
つづいて、笠着地蔵の話にも出てきた真盛上人が誕生したとされる誕生寺を目指した。初瀬街道はここを直進するが、誕生寺に立ち寄るため、中勢鉄道の廃線跡につくられた道へと入った。ここを左へ。
10mほど先にはこの案内板が立っていた。
この花は? あまりにも原色の組み合わせで目立ったため思わずパチリ。
視界が広がると分岐がある。直進すれば中勢鉄道の誕生寺駅跡へたどり着くが、ここは左折した。
こちらが誕生寺の全景。
石垣に沿って進むと
誕生寺の正面に出る。
鐘楼の下には真盛上人誕生地の案内板があり、
石段の下には真盛上人産湯井戸館が建ち、
これは真盛上人が誕生した時使用された井戸跡で、天保年間に修繕されて今に伝えられている。とある。
石段を上がり左手へ進むとこの手水石がある。思わずパチリ。
真盛上人産湯井戸館の先に見える風景をパチリ。
こちらが本堂。
本堂の付近からの眺望はこれだ。
誕生寺を後にしようと石段まで戻ってくると鐘楼の左手にこの案内板「奥の院城山(大仰城跡)」を発見した。これを見たからには見過ごしておけない。ここでも寄り道となった。
墓所の脇を進むと小刻みな石段が続く。
上まで来るとあまり踏まれていない雰囲気で、
石段が途切れると参道は右へ折れ、山道の雰囲気になる。
数十m歩くと右手に仏像が目に入った。
さらに前方には案内板が見えたので
近づくとこれだ。ここから18m下ったところに井戸があると。18mと数値が入っているので下る決意が容易にできた。
奥の院を見学する前にこの斜面を下った。
確かに18mほどで行き止まりとなり、
この石柱に突き当たった。
振り返ると右手に囲いが見えた。
近づくと井戸だ。
昔のままに残されている。中を覗くと水面が見えた。
先ほどの案内板まで戻り
左へ回り込むとこの辺が奥の院だろう。五輪塔や多数の仏像が見られる。
さらに回り込むとここにも五輪塔や多数の仏像が・・・。
奥の院城山を一周すると最初に目にした仏像のところへ戻ってきた。
奥の院城山から下ってきて石段へ入る前にパチリ。竹林が美しい。
独自のオプションを済ませ、気分よく再出発した。誕生寺を出て
中勢鉄道の廃線跡の道路へ戻ってくると、上出公民館の前には「真盛上人誕生地への案内板」があり、
その奥(公民館の敷地内)には「右 伊勢道」の道標(建立年?)がある。
またこの公民館の建物の前には産湯山 華香寺跡の標石がある。誕生寺の前身だそうだ。
さらに、中勢鉄道の廃線跡の道路を横断してその先にはこの常夜燈がある。
建立年は明治と新しいが、
台石には多数の穴(盃状穴と思われる)がある。
常夜燈から中勢鉄道の廃線跡の道路へ戻ると
そこには駅舎跡(プラットホームのコンクリート)がある。
最近、この案内板が立てられたそうだ。この案内がなければただのコンクリートの塊にしか見えない。
つづいて成福寺へ。
途中、交差点の右手、視線の先には橋が見えた。ここを行けば大仰橋。ただ、成福寺へ寄るのでここでは曲がらずに次の路地を右折した。
右折した先には右手に成福寺がある。
ここは真盛上人慈父母菩提所だそうだ。
成福寺よりもその先に常夜燈に興味があったので、庚申塔を撮影してからその常夜燈へ。
常夜燈の脇には語り部さんがいた。熱心に説明している内容は大仰有料橋跡についてだった。
私も話を伺ったが、古文書の写しを元に由緒等が分かり興味深かった。古文書の差出人は百姓共で宛先はお上だった。
そして、こちらが常夜燈(み歴マ 初瀬 42)。
太一の文字が刻まれ、天明三年の建立だ。
ここでも台石に盃状穴がある。 盃状穴とは(世木神社) にて盃状穴の存在を知ってから気にするようになったが、私が回る場所(ただし、神宮125社にはほとんど存在しない)ではよく見かける。
語り部さんにお礼を述べてから大仰橋を渡った。
渡り始めて川を覗くと、木製の柱のようなものが。折れた橋脚にも見える。
橋を渡ってからパチリ。やはり橋脚に見える。この橋ができる前の橋?
これとは別に大仰有料橋跡はこの辺だ。
ここから雲出川の下流をパチリ。
ここで押しボタン式の横断歩道を渡り脇の道へと入った。
大井小学校の前を通過し
大井幼稚園の先を左折した。(初瀬街道は直進しているが、この先で道が中断されているため)
先ほどの車道へ出ると歩道橋を渡った。
歩道橋を下り、片山橋の前から
車道に沿ってしばらく迂回することになる。
大きく右へ曲がる坂道を上りきる手前でこの脇道へ入った。左折。
細い道路を道なりに進むと長谷川建築の先に祠がある。通りすぎて振り返りながらパチリ。
薬師地蔵だそうだ。
パチリ。
薬師地蔵にお参りしてから谷戸坂を下った。
途中で振り返ってパチリ。
坂を下った先にはこれ?
これは何だろう? 祠、墓石、???
とにかく先へ進むと直進の近鉄コース矢印に「手書きの右矢印と常夜燈20m先の文字」。
ここでも寄り道。右折すると交差点の先には、常夜燈(み歴マ 初瀬 33)と万燈さん(み歴マ 初瀬 34)がある。
常夜燈には太一の文字があるが、明治の建立だ。
先ほどのコースへ戻るとすぐ先にも常夜燈(み歴マ 初瀬 32)がある。
こちらも明治の建立で、「十七代 松本政之助」の名がある。十七代か、一代目はいつの人だろう。
この常夜燈を過ぎると国道165号線へ出た。
しばらく国道を歩くことになるが、反対側の歩道脇に変わった石を発見した。これだ。なぜかこの石はU型側溝を立てて保護されている。移動できない石、壊されると困る石、この石の正体は何だろう? 不思議だ。この疑問はなかなか解消できないだろう。
コースマップ(11990)地点を過ぎると押しボタン式信号がある横断歩道にたどり着く。ここを横断すると
波瀬川が見える。奥に見えるとはJR名松線の鉄橋だ。
波瀬川から離れると家並みに誘われるように進むと右手に大師堂がある。(近鉄のコースマップには地蔵堂とあるが、語り部さんによるとこれは大師堂だ。)
正面に回りパチリ。
弘法大師像にお参りしてからパチリ。ここは確かに大師堂だ。
大師堂の先でも語り部さんが田尻宿について説明を続けていた。宿代を米に換算するなど語り部さんの工夫が見られ、一生懸命さが伝わってきた。(感謝)
また、ここの資料に道標は田尻公民館の前にあると書かれていたので、公民館へ向かうとこれだ。ここでも語り部さんが説明してくれた。中華料理店の前に建っていたが、車に接触されて折れたりと支障が出たためこの場所へ移動されたそうだ。
右 さんぐう道
左 津久居ミち
建立は明治だ。
なお、(み歴マ 初瀬)では「一志町農村環境改善センター」にあるとされているものがこれではないだろうか?
以前は中華料理店の前に建っていたとのことだったので、コースに沿って進むと
これだ。工事用のパイロンの間に道標跡の石板が埋め込まれている。この場所で「ポキッ」とされてしまったのか。かわいそうに。
さあ、あとは最後駅を目指すだけだ。
この辺で初瀬街道はJR名松線を越えているが、我々は越えられない。線路内立入禁止で踏切もない。
線路に沿って(線路と道路の境目には柵など何もない。町中では珍しい風景だ。ここを列車が通り過ぎるのを見るのはどんな感じなのだろう?)進むと
前方にJR一志駅舎の裏側が見えた。
道なりに進み次の交差点を右折するとJR一志駅、逆に左折すると今日のゴールである近鉄 川合高岡駅だ。
私はJR一志駅を確認してから近鉄 川合高岡駅へ向かった。ゴール。今日も天候もよく充実したハイキングだった。
ところが、ゴールへの到着直前には14時19分発伊勢中川行きの列車が出発していた。結局41分までこのホームで待つこととなった。強い日差しを浴びながらも今日の反省会を一人で済ませると電車が到着した。
伊勢中川駅、松阪駅で乗り換え、伊勢市駅から徒歩で帰宅した。
【 20111008の記録 】
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