2013年09月15日(日) 夏季特別展「ご遷宮と山田奉行」(山田奉行所記念館) (車)
広報いせ 9月1日号に次の記事が掲載されていた。
( 『ご遷宮と山田奉行』、10月31日(木)まで )
朝から町内の排水清掃の予定だったが、台風18号の到来の影響で雨が降っていたために中止。
外宮では御戸(みと)祭 (新社殿の扉に鍵穴を開ける所作で、新社殿を造る一連の所作の最後の祭事)が斎行されると聞いていたのだが、すでに排水清掃の予定が入っていたために開始時刻を確認していなかった。
「台風の影響で雨足も強まるかもしれない? ‥・」などと思案した挙句、軟弱な方向へ流れてしまい、近所にある山田奉行所記念館の企画展を見学することにした。
晴れなら歩くところを今日は車で山田奉行所記念館へ到着。入口で挨拶して中へ入った。
記念館は台風18号に備えた準備が進められていて、玄関の雨戸が一枚分だけ開けられた状態だった。
閂(かんぬき)をくぐって 館内へ入ると雨戸が閉めきられていたので少し暗い雰囲気だった。なかなかこんな雰囲気で見学する機会がないので、この雰囲気を楽しんだ。
玄関から上がると、いつも企画展が開催される左奥の部屋へ向かった。会場をパチリ、
パチリ。
入口で次の説明資料をいただいた。今回の趣旨と展示概要が記されている。山田奉行、つまり江戸幕府が神宮のご遷宮および神嘗祭に対して深い関わっていることがよく分かる。
また、別の資料として、飯田良樹さんが『雲出川』第29号 平成25年に掲載した「版画よりみた伊勢御遷宮」が置いてあった。こちらもいただいた。
ざっと見て回ると、まずは「伊勢太神宮遷御之図 ~外宮御正殿・年代不詳~」。
資料提供者の名前を見ると、現在は休止しているが伊勢河崎商人館で実施されていた古文書講座の先生であった。個人でこんなものをお持ちとは、流石です。
その他には、「式年遷宮と御杣山の変遷」の説明文と御用材を御杣山から切り出して運ぶ工程の絵による解説。
その絵は次の15種類。
- 大材木見立・枝打之図
- 大材根伐・足場拵並伐倒場所拵方之図
- 大材伐倒之図
- 伐倒材問知故、極末伐縮並輪拵之図
- 大材輪掛ヶ之図
- 大材木作之図
- 大材木作出来 打之図
- 大材出し道、算盤狭手拵之図
- 大材算盤狭手釣下ヶ之図
- 大材釣下並本谷際江出し揃之図
- 出之小路本谷より狩下之図
- 出水流材当ニ取建候木留之図
- 木曽川管流狩下之図
- 木曽川通、所々仮網之図
- 錦織湊着材・揚木並総下ヶ図
また、こちらも「伊勢大神宮遷御之図」。
さらに、先の説明資料にも記されている「幕府の遷宮に対する方針(大老、老中連署下地状)」
そして、こちらは「両宮遷御之図絵巻」、
その説明。
「伊勢神宮御遷御版画及び版木」
こちらは、「遷御における幕府関係者参進場面」の模型。
最後は、今回の展示物の多くを占めていたのが遷御之儀および遷御に関連する祭典などの図絵。それらの図絵には各場面に登場する遷宮(造宮)奉行である山田奉行の位置がピンク色の矢印で指し示されている。その例を二種類。
これらの図絵を見ると、山田奉行がご遷宮と深い関わりを持っていたことがよく分かる。
見学していたら、もうひとりの見学者が現れた・・・。どこかで見かけた方・・・、そうだ、思い出した。第62回神宮式年遷宮 お白石持行事で特別神領民の奉献サポートに参加していた方だ。しかも、その方は山田奉行所記念館に展示されている「御座船 虎丸」の模型を作成したそうだ。
展示室を出ると玄関付近に展示されている「御座船 虎丸」の模型を見ながら話を伺った。
製作原価を下げるために金物として10Kの金メッキを使用したが、10Kだと白っぽくなるため表面にはニス等でコーティングし、金らしさを強調した。など、苦労話などを・・。
台風も近づいてくるので、夏季特別展「ご遷宮と山田奉行」は後日にじっくりと見学することとした。
外では雨がパラパラ。受付にてお礼を述べると山田奉行所記念館を後にした。