2013年02月09日(土) 御頭さんお飾り付け(村松町の御頭神事) (車、徒歩)
2回下見に訪れた村松町では、今日が御頭神事の当日だ。先日頂いた新聞(御頭神事特集号 村松町会祭礼保存会発行)によると、前日(2月8日)には午後8時に入笛式という行事があり、当日は次の通り
【2013年02月09日 当日の予定】 神事祭礼行事の順序 ----------------- 予定時刻 行事 午前 6時00分 潔斎・海中斎戒沐浴 8時00分 祈年祭(春祭) 10時00分 御頭さんお飾り付け 11時00分 昼の年酒(ねんし) 正午 神事式典 午後 0時30分 年酒の式 1時30分 舞い始め(神社境内) 2時30分 刀抜き 3時00分 辻舞い始め 8時00分 ツムギ火入れ 9時30分 山の神 舞い 11時00分 終了予定 辻舞の場所・予定時刻 ------------------ 場所 予定時刻 平和の礎 午後 3時00分 半三の辻 午後 3時35分 宗末の辻 午後 4時10分 弥六の辻 午後 4時45分 甚平の辻 午後 5時20分 中入り 午後 6時00分 庄六の辻 午後 7時00分 甚十の辻 午後 7時35分 藤次の辻 午後 8時10分 龍宮境内 午後 8時45分 山の神 午後 9時30分
である。午前中から舞い始めまでは宇氣比神社にての神事だ。
私の場合本来なら神事の最初、こちらなら入笛式から拝観するべきだが、諸々の都合により「御頭さんお飾り付け」からになった。(次回の楽しみにとっておこう。)
お祭りでは予定は無いに等しいことが多いので、予定時刻の20分前に宇氣比神社へ到着した。
鳥居の前に建てられた支柱には幟が掛けられていたが「宇氣比神社」の名ではなかった。その理由はおいおい明らかになるだろう。
鳥居をくぐり、左手に手水社にて手水を受けてから
拝殿へ向うと・・・何と、御頭の飾り付けが始まっていた。
予定よりもかなり前、やはり30分前行動が必要だ。
御頭神社の鉄の扉は開かれ
御幌と御簾が・・・。
頑丈そうな扉と壁だ。御頭は普段、この建物に守られているのだ。
また、御頭神社の社標の前には砂と松葉が入った袋が置かれていた。
なお、境内には村松町会祭礼保存会が発行した御頭神事特集号(1)、(2)が掲示されていた。参考になる内容で、村松町の御頭神事のアピールにもなるのでここにも掲載。(他の画像と同様にクリックで拡大、ただし、他の画像より解像度が高い。)
そして、社務所へと目を転じると
社務所の前には移動可能な竈が置かれていた。
さらに、社務所の屋根には鉾が取り付けられた竹(鉾竹、なお伊勢市史第8巻(民俗編)のP.405に「サイミョウ竹」と記されていたので、ここではサイミョウ竹の名称を使用する。以下、サイミョウ竹)
サイミョウ竹の先端、鉾の部分をズーム、
さらに切り出すとこの通りギザギザの線の中に「住吉大明神」の文字が見えた。
そして、先ほど冒頭で紹介した幟、実はここにも「奉献 住吉大明神」の文字があった。
この理由はさらにのちほど・・・。
そして、拝殿へと戻り、本記事のテーマである御頭さんお飾り付け。
左側、こちらの御頭は
村松町に保存されている初代の御頭で多気郡大台町上楠から流れてきたと伝えられているそうだ。
新しく作られた御頭に紙垂を取り付ける作業が続く中、社務所の前に置かれた竈には羽釜が据えられ白米が炊かれた。
そして、御頭が舞う境内には盛砂に松葉が立てられていた。
拝殿の下では現在の御頭(昭和57年に製作された)への紙垂の取り付けが続けられた。
前後左右上下のバランスを考えながら、しっかりと取り付けられていった。見ていても力が入る場面も・・・。
御頭自体の準備が整うと噛ませるためのセチ(鏡餅)、10連の干し柿、みかんが準備された。
御頭の口にセチ、菱形の餅、さらに干し柿、みかんを積み、噛ませた。
御頭の飾りつけが終了すると神職が案の上に御饌を並べた。
飾り付けの完成。
ちびっこカメラマンもパチリ。満足げだった。
しばらくすると神職、氏子総代、町内会長、神楽師らが参列し「お出ましの年酒(ねんき)」が執り行われた。
社務所前と拝殿前には塩水をを入れたバケツと笹が置いてあり、潔斎していない人はこれらで祓い清められる。(ちなみに、今日は7時に浜で海水にて潔斎したとのこと。風が強くかなり寒かったそうだ。)
神職が一升瓶の神酒を盃に注いでから手にした扇子(中啓)を指に挟んで拝礼した。
初代の御頭の前でも、
さらにその扇子は参列者に回されて、順に拝礼すると
「お出ましの年酒」は終了した。
左側が初代の御頭で、この後境内での舞い始めのみで使用される。「宮の舞」「大神宮の舞」のふた舞いだけだ。
そして、右側の御頭が辻舞いとクライマックスの山の神境内での舞いに使用される。
この後は、昼の年酒が実施された。昼の年始では神事の参加者が三三九度により固めの盃をとり交わすとのこと。
正午からの神事式典まで時間があるので、昼食をとりつつ散策するために宇氣比神社をしばし離れた。
【 20130209 の記録 】
- 御頭さんお飾り付け(村松町の御頭神事)
- 神事式典、年酒(ねんし)の式(村松町の御頭神事)
- 舞い始め(神社境内)(村松町の御頭神事)
- 刀抜き(村松町の御頭神事)
- 辻舞い(村松町の御頭神事)
→ ツムギ火入れ(村松町の御頭神事) - 山の神での舞い~悪魔祓い(村松町の御頭神事)
【参考】