2011年12月23日(金) 近鉄 酒蔵みてある記 油正「初日」 (電車、徒歩)
本日は天皇誕生日、神宮では天長祭が斎行された。また、斎宮のいつきのみや歴史体験館では「追儺(ついな)のまつり」が実施された。拝観、見学したい祭典や行事が重なるといつもながら迷ってしまう。
【参考】 追儺(ついな)のまつり(いつきのみや歴史体験館) (2010年)
そこで、今回は体験したことのない企画「酒蔵みてある記」に参加することにした。これだ。
今回の酒蔵は、神宮にも清酒を奉納している「初日」の油正だった。
【参考】
近鉄 久居駅の東口の階段を下ると、ハイキングの受付に列ができていた。受付が開始されると押し合うように・・・。同じ近鉄が企画するハイキングでも、今まで経験したお伊勢さん125社めぐりや大阪からのお伊勢参りの受付の様子とは明らかに雰囲気が異なった。企画の内容で参加者のタイプも異なるのだろうか?
コースマップを受け取ると
私も人の流れに従って歩き始めた。ところがどうも自分が想定していた方向と異なる方向へ流れてゆく。(自分で確認しないと済まない正確なので、一度久居駅の周囲を一巡してしまった。結果的には私自身が認識間違いで、ハイカーの流れが正解だった。) 久居駅周辺に土地勘がなかったことが大きな原因だろうが何とも情けない。
気を取り直して、タイムロスを挽回するために先を急いだ。陸上自衛隊 久居駐屯地の前(間)を過ぎ、
LIQUOR&FOODマツオカの前に建つ標石に疑問を抱きながらも先へ。(停車場と刻されているが正体は?)
左前方にボーリング場の大きな「(ボーリングの)ピン」が見える交差点(サークルK 久居井戸山店前)を右折すると
右手に久居東中学校が現れる。
久居東中学校のグランドを過ぎると右手に赤い鳥居が見えたので、まずはこちらに参拝。
この辺ではキャベツの栽培は盛んなようだ。かなり広いキャベツ畑だ。
コースマップ通りに直進すると左手には(独特な新入社員教育のCMが記憶にある)カネ美食品の津工場が。
ここから工事中の道路を進むと
建設中の中勢バイパスの上を小森向山第2跨道橋で渡った。この辺は舗装も済んでいるようだ。そろそろ開通か?
中勢バイパスをサイドからパチリ。
ハイキングのコースは次の交差点を右折して、この先に見える木造小橋(雲出井水)を渡った。
これだ。
橋を渡ってからしばらく進むと左手にみかん畑があり、交差点の角には
この道標が建っている。木造城址を目指すので左折。
左折するとほどなく、こんもりとした木造城址にたどり着く。
上部には木造城址の碑があり、「二十一代 木造武次書」とある。
木造城址を後にして、畑の間を進み、
引接寺へ向かった。
雲出川の左岸へ向かう道路を右折して
民家の間へ入ると
その先、右手に引接寺(いんじょうじ)がある。
山門をくぐり、本堂の前で案内板を見ていると檀家の方だろうか、本堂へと招き入れてくれたので
階段を上った。
本堂には檀家の方々が集まり、左の奥では住職が古地図を広げてハイカーに説明してくれていた。
この古地図は木造の地域のもので、下部に天正十二年と記されている。ちなみに、天正十年(1582)には本能寺の変。
こちらは、本堂の右手にある石造キリシタン燈篭。
引接寺を出る頃には雨が降り出し、風が強くなってきた。
朝、久居駅に到着した際、空の雰囲気から「雨の予感」がした。いつもなら晴れでも持っている折り畳み傘を忘れたことに気づき、駅前のコンビニで500円のビニール傘を買って歩いていた。大きな出費だと思ったが、無駄な投資にはならなかった。(特に風が強かったので、折り畳み傘よりビニール傘の方が頑丈で役立った。)
傘を差して歩き始めると、引接寺の数百m先には木造神社があった。社頭でパチリ。色褪せてはいるもののまだ紅葉の葉が付いていた。
最初の鳥居をくぐると右手の茂みの中に社標がある。
さらに参道を進むと
苔むした常夜燈の笠石の角が欠けていた。
拝殿へ向かい
参拝した。
拝殿の右側には、この様な石が配置されていた。
これはいったい何だろう? 両側に石の車輪が付いた???
さらにその右奥には、稲荷神社が祀られている。
こちらだ。参拝。
これで木造神社を後にした。
神社を出て右方向へ進むと、次のトンネルがある。これは中勢バイパスの下に作られた函渠だ。
構造物銘板はこちら。
この辺にもキャベツ畑が広がり、雨の中でも収穫が続いていた。
寒さが強まる中を歩き続けると
桃園小学校の前を通過し、
左手にある自治会掲示板が目に入った。物部神社の歳旦祭の案内。物部神社は? コースマップには載っていなかった。
掲示板の近くから進行方向の左手に視線を向けると遠くに社叢のようなこんもりが確認できた。多分あそこだろう。天候不順な状況での寄り道にしては少し遠く感じたので、物部神社への参拝は諦めた。(天気が良ければ行っていたと思う。)
後ろ髪を引かれつつ(私には引かれる髪はないが)、JA三重中央 桃園支店の前を通り過ぎると
その頃には風雨がおさまり一部には青空も覗いてきた。
さらに進むと神々しい雰囲気の中、物部神社への参道入口が現れ、
この近くには以前常夜燈が設置されたいた常夜燈跡も見えた。
ここで「回れ右」すると世界は一変、これだ。こちらが進行方向なので気持ちも明るくなってきた。
通(かよい)橋を渡り道なりに進むと左手には木々の枝に先ほどの雨が付いていた。キラキラとして美しかったが写真でうまく表現できなかったのが残念だ。
坂道を上りきると
津市コミュニティバスの新家バス停を過ぎ、
近鉄 踏切道 中川第11号となる。
踏切を渡り、100mほど先のY字路の角、アパートの敷地内だろうか、この道標が建っている。「山みち」?
裏側へ回ると「左 さんくうみち 右 ならみち」と読めた。
道標から離れると左側が参宮道、右側が奈良道。
車も左右へ分かれて走って行った。
コースマップの進行方向へ進むと
道路脇には川方天満宮の古い常夜燈が建ち、その前には鉄パイプが立っていた。この鉄パイプは常夜燈を守っているようである。
参道を進むと
正面に鳥居があるが、この鳥居の笠木がおもしろい。丸木の上部に銅板が葺かれている。
境内へ入ると左手に常夜燈、その先に拝殿、左右には山神等が祀られている。さらに、右手には神宮遥拝所、小さな社、牛の像などが配置されている。
また、拝殿前の常夜燈には「川方村」の文字が見える
こちらは拝殿前の山神、
「山神」の文字はほとんど見えなくなっていた。
また台石には所々に盃状穴が空けられている。こちらの穴には苔が。
また、左手には庚申塔があり、享保三年とある。
川方天満宮での参拝を終えて歩き始めると
足元のマンホール蓋が気になった。この辺はすでに平成の大合併で津市となっているが、旧久居市であった名残りをパチリ、パチリ。
さらに、前後左右だけでなく、上下にも気を配りながらさらに進むとこべき保育園の前を通り過ぎた。
この辺は道路が狭く、乗用車がやっと対向できる位の狭い道幅のところがある。ハイカーが多くて迷惑になっただろう。
桃園の案内板がある交差点で信号が青になるのを待ってから、さらに直進した。目指すは本日の第一目的地、油正だ。
路地を歩いていると右手方向から呼ばれた気がした。右に視線を振ると、「先(突き当たり)が見えない。」と思わす声に出さずに叫んでしまった。
カメラのズーム目一杯にしてもこれだ。この道はどこまでも続いている。このような路地で直線に続くのは初めて見る。(こんど歩いてみよう!)
自分だけの感動に浸りながら油正の前の通りに出た。ここにも道標がある。
目の前に油正が見えていたのでパチリ。
杉玉と「初日」の看板をパチリ。
中庭へ進むとハイカーが行列を成していた。
試飲券を受け取ってからまずは豚汁の列に列んだ。
七味をたっぷりかけて温かな豚汁は冷えきった心身を瞬時に温めてくれた。
豚汁をたいらげると、「初日」を試飲するため、即売所の前を通り
行き止まりの手前左に
蔵見学入口があったので、早速中へ入った。入口には消毒用のスプレーが置いてあったので両手に十分にふりかけた。
酒蔵内は近代化されていて、このようなタンクが多数設置されていた。
通路を奥まで進むとこの場所が試飲場となっていた。この右手では実際に瓶詰め、閉栓作業が進められていた。
おいしかったので、【キタヰの妻】のためにも300ml×1本を購入(550円)。次の2枚は帰宅後にパチリ、パチリ。
道路に面した建物は登録有形文化財となり、「油正ホール」になっている。
こちらが登録有形文化財だ。
本来の予定では、酒蔵みてある記 油正「初日」 のハイキングを終えてから伊勢街道(JR高茶屋駅付近~JR六軒駅)を歩こうと思っていたが、予定よりも時間が遅くなったのと、天候に不安があるため伊勢街道は中止することにした。ただ、このまま久居駅方面へ戻るのももったいない気がしたので、今朝宇治山田駅で入手しておいた「近鉄 てくてくまっぷ 三重-12(久居散策(古刹・史跡))」をチェックした。するとこの近くに川併(かわい)神社があることを確認した。
早速、コースとは逆方向へ向かうと民家の壁面に次のポスターが貼られていた。
道路沿いに鳥居が見えたので、さらにその先へ参道を戻ってからパチリ。(ただし、メインの参道はもっと先の方にあることが後で分かった。)
先の鳥居をくぐると境内へ入る。
こちらが拝殿。新年の準備が整えられていた。
まずは参拝。
頂いた「氏子のしおり」がこちら。
拝殿の右手へ回ると
本殿のつくりの説明板があった。
板垣の隙間から本殿と
その隣の社をパチリ。
御垣の扉の鍵が開いているようだった? 「氏子のしおり」には祭典の予定はなかった?
川併神社から油正まで戻り、ここからは本日のコースマップに従って久居駅方面へ歩き始めた。
途中、次の道標を発見。かなり下部から折れている。「?くう道」、
そして、後ろ側は「?らみち」だろうか。それにしても折れた石柱が多い。
近くにある連子格子の山川酒醤油店をパチリ。
この先の信号がある交差点の角にも新しい道標があった。「いが・なら道」の矢印が両方向を向いているのは?
横断歩道を渡りさらに進むと古い佇まいの建物が両側に建っている。こちらは蔵のようだが?
その対面には別所薬局。
次の交差点を右折すると野邊野神社が見える。社標をよく見ると三文字目の「野」の字が特徴的だ。
鳥居の右手には立派な説明板がある。
鳥居をくぐり境内へ入ると左手には山神が立ち並び
正面には広々とした空間が・・・・。
手水社で心身を清め
拝殿へ向かうと、左手にはまず結婚式場、
続いて神札授与所、社務所がある。
そして常夜燈の先に拝殿が。
なお、拝殿の手前には、大きな石に太いしめ縄が掛けられている。
拝殿へ向かい、
参拝した。
社名額を見ると「邊」の字が「邉」となっている。名前は難しい。また、三文字目の「野」はここでも異体字だ。
また、拝殿の前には常夜燈が建っていて、
享保十五年と刻されている。最近では享保など江戸時代の年号を目にする機会が多く、見慣れてしまった。「いかんいかん、慣れは禁物だ。常に新鮮な感覚を維持しないと。」自分への戒め。
拝殿前からパチリ。
続いて拝殿の隣の野邊野天満宮に参拝。
野邊野天満宮の前の常夜燈と野邊野神社の常夜燈を串刺しでパチリ。すべて享保十五年だ。
最後に野邊野稲荷社へ回ってから野邊野神社を後にした。
これで本日のハイキングは終了となるので、後は久居駅へ戻るだけ。その途中、「初日」の看板を見つけたのでパチリ。
そして高層のポルタを見上げたら、久居駅西口へ戻ってきたことを実感した。
初めて、酒蔵みてある記ハイキングに参加したが、予想以上の参加者数に驚いた。また、機会があれば今後は【キタヰの妻】と参加してみたい。