2011年07月29日(金) 荒塩の焚き上げ作業(御塩焼所、御塩汲入所) (車)
昨日、御塩浜から御塩汲入所へ鹹水が運ばれ、今年は一昼夜のみの作業だそうで、本日29日~30日にかけて鹹水が荒塩に焚き上げられる。
【参考】
- 2011年07月28日 採鹹作業終了(御塩浜)
- 2011年07月25日 採鹹作業(御塩浜)
- 2011年07月24日 御塩浜と御塩焼所ほか(御塩殿神社)
- 2011年07月23日 御塩汲入所、御塩焼所ほか(御塩殿神社)
私が仕事を終えて御塩殿神社へ到着したのが午後8時過ぎ。
真っ暗な参道を進み、まずは御塩殿神社で参拝した。
御塩殿の前を通り、斎舎の手前を左へ折れ、御塩殿の裏手へと向かった。
御塩焼所にはすでに数人の見学者が。私も仲間入りさせていただいた。なお、御塩焼所および御塩汲入所の敷地への扉は開かれており、御塩焼所の前面までは入場できるようになっていた。見学者に対する配慮だろう。
御塩焼所の中へ目を向けると、粘土で築かれた竈「くど」の上では大きな平釜に満たされた鹹水が焚き上げられている最中であった。
途中で、「くど」の火に調整が入り、
焚き上がりまで今しばらく時間がかかりそうだった。
そこで、私は隣にある御塩汲入所を拝見するため場所を移動した。すると御塩汲入所の建物では御塩殿側の壁板も取り外されていたので、こんな感じで建物の内部を見ることができた。
右側の甕は鹹水で満たされていた。その甕の縁には渦を巻く緑のものが。蚊取り線香だ。(そう言えば、2011年07月24日に喜多井さんが「蚊が多くて・・・」とおっしゃっていた。知らない間に私も数ヶ所刺されていた。かゆい。)
反対側の甕のほとんどには蓋が掛けられていて、中の様子は伺えなかった。
再び、御塩焼所へ戻ると、
丁度、荒塩が焚き上がった頃だった。
平釜の中の荒塩を返す作業が慌しく進められ、仕上げに差し掛かっていたようだった。
ついに荒塩を取り出す段になると「浜ぐわ」のような道具で大釜から荒塩がすくい出され、
左奥にある「いだし場」へ置かれた。この板には傾斜が付けられ、にがりが流れ落ちるようになっている。
平釜からすべての荒塩が取り上げられるまで、これらの作業が数回繰り返された。
平釜の中が空になると、釜には新たに鹹水が注がれ御塩焼所内の鹹水がすべて注がれると、さらに御塩汲入所から運び入れられた。
御塩汲入所へ移動すると、御塩汲入所では甕から鹹水が汲み出され、
「潮たご」は鹹水で満たされていった。
二個の「塩たご」が鹹水で満たされると天秤棒が掛けられ、
担がれた。その時、天秤棒がしなった。重そうだ。
しかし、担ぎ手の歩みは安定している。手慣れたものだ。
そして、御塩焼所へ運ばれた鹹水は平釜が満水になるまで注がれた。(コマ送りで)
平釜が鹹水で満たされると表面には白い物が浮いているように見えた。
「くど」には新たに薪が差し込まれ、火力が上げられてゆく。
その間にも、さらに鹹水が運ばれてきた。
しばらくすると平釜の表面に浮いている異物をすくい取る作業が始まり、
白っぽい浮遊物は手際よく取り除かれていった。
焚き初めから荒塩が出来上がるまでは約4時間かかるそうだ。
御塩焼所の周辺の状況を確認するため、二見浦の海岸側へ向かうと普段は閉じられている扉が開かれていた。車の出入りがあるためだろう。
この扉の右手方向は、野球場の夜間照明が点灯しているようで、やけに明るかった。
海岸側から御塩焼所をパーチリ。(シャッタースピードを落としているので、パチリではなく、パーチリ)
振り返って、二見浦海水浴場の方面をパーチリ。
さらに、海岸をパーーチリ。
多少の暗闇を楽しんだ後、御塩焼所へ戻ると見学者は誰もいなくなり、御塩焼所の中にも誰もいなかった。しばらく私の独占状態だった。
「くど」の火を眺めながら、焚き上がりを想像していた。
この部分は御塩焼所の建物の妻の上部で、三角形の壁板が取り外された部分だ。御塩焼所には煙突がないので、ここから煙が抜けていく。が、現時点では煙が「もくもく」と立ち昇る様子はなかった。
再び、御塩焼所の内部へ目を向けると「いだし場」には先ほど取り上げられた荒塩が置かれたままだ。
にがりが流れ落ち、ある程度抜かれると手前にある俵へ詰められるそうだ。
荒塩からにがりが流れている様子がよく分かる。
改めて、「くど」の火を眺めていると
団体の見学者が現れた。私は御塩焼所の前面から鳥居の外へと移動し、
団体の見学者をパチリ。 見学者は白い装束を着た方(神宮の方か?)の説明を受けていた。
私は帰路に着こうとすると、御塩汲入所の手前に
樽が置かれているのを発見した。
これだ。どうも御塩汲入所の甕に入っていた鹹水は去年のもので、これらの樽の中身が今年の鹹水のようだった。
その後、御塩殿の前まで戻り鳥居をくぐり返してから、空を見上げてパチリ。飛行機がセントレアへ向かって飛んで行った。
これで、今年の採鹹作業から荒塩の焚き上げ作業までの拝観は終了となった。
ただ、次の作業は見学できていないので、来年に期待したい。
- 採鹹作業では、「浜をかえす」「浜をよせる」「潮をおそう」作業
- 荒塩が取り上げられた後、俵に詰められた荒塩は御塩殿裏にある御塩倉に収める作業
【 荒塩の焚き上げに至る 記録 】
- 2011年07月29日 荒塩の焚き上げ作業(御塩焼所、御塩汲入所)
- 2011年07月28日 採鹹作業終了(御塩浜)
- 2011年07月25日 採鹹作業(御塩浜)
- 2011年07月24日 御塩浜と御塩焼所ほか(御塩殿神社)
- 2011年07月23日 御塩浜(採鹹中?)
- 2011年07月03日 採鹹準備中の御塩浜
- 2011年06月24日 日の出(夫婦岩、御塩殿、御塩浜)