2012年07月31日(火) 荒塩の焚き上げ作業(御塩焼所、御塩汲入所)2012 (その2) (車)
先日、荒塩の焚き上げ作業(御塩焼所、御塩汲入所)2012 にて予告した通り、夜の焚き上げ作業を拝観するために御塩殿神社を訪問した。
午後8時前、鳥居をくぐり参道を進んだ。丸い月は出ていたが社域は真っ暗で、ここでは荒塩の焚き上げ作業の気配すら感じられなかった。
暗い中、御塩薗殿神社にお参りした後、御塩殿の前、斎舎の脇を通り過ぎ裏手にある御塩焼所へ向かった。
足の裏で砂道を探りつつ、その感触を楽しみながら御塩焼所へ近づくと、御塩焼所の手前にある御塩汲入所に灯りが・・・。今日は作業中だ。ほっとして、思わずパチリ。
ここでは御塩焼所と御塩汲入所の中だけが明るい。
鳥居をくぐり御塩焼所へ近づくと、
その中では、荒塩の焚き上げ作業が進められていた。
大きな平釜の中では煮詰められた鹹水が半分ほどの量となり、結晶化した塩が釜底にこびり付かないように時々丁寧にかき回された。
また、平釜の左手にある「いだし場」にはすでに焚き上げられた荒塩が取り上げられていた。
平釜での焚き上げ完了まではしばらく時間がかかりそうだったので、二見浦側の出入口(この作業の間にしか開かない)から二見浦海岸の堤防へ出た。パチリ。風が強く波が高かった。
再び、御塩焼所へ戻り、 じっくりと作業を拝観していた。
その後も鹹水はじっくりと焚き上げられ、釜の底に付着する塩は丁寧に削り取られた。
燃焼が安定しているためか、煙はほとんど上がらなかった。
御塩焼所の前から御塩汲入所の方を見ると月が・・・。
午後8時半頃になると、御塩焼所にて動きがあった。
「いだし場」に取り上げられて、にがりや水分がある程度抜かれた荒塩が俵へ詰める作業が開始された。これは平釜にて荒塩が完成することを意味している。
荒塩は桝いっぱいに詰められ、杯数を正確に数えながら
俵へ詰められた。
「いだし場」の荒塩がすべて俵は移されると、今度は平釜にて動きがあった。釜の中の水分はほとんどが蒸発し、くすんだ土色の塩が塊になり始めた。
しばらくすると木製の鍬(御塩浜で利用されていた浜鍬のようだ。)で、
釜の荒塩がまとめられ
すくい上げられた。
すくい上げられた粗塩はそのまま「いだし場」へと運ばれた。
これを数度繰り返し、釜の中は空っぽになった。
平釜が空になると新たに鹹水が注がれた。休憩もなく、次の焚き上げ作業が始まった。終わりが始まりだ。
何杯注がれただろうか?
御塩焼所内の鹹水がなくなると、御塩汲入所に保管されている鹹水が「潮だこ」で御塩焼所へ運ばれた。
平釜にはまだまだ、表面張力で表面が盛り上がるほどに
鹹水が注がれた。
平釜から溢れそうになるほどの鹹水が注がれると、焚き上げ中に追加する鹹水が御塩汲入所から運ばれてきた。これから、次の焚き上げ作業が・・・・
私は再び暗い参道へともどり、御塩殿神社を後にした。
【参考】 2011年の様子は
- 荒塩の焚き上げ作業(御塩焼所、御塩汲入所) (神宮巡々)