2013年01月20日(日) 楠部町萬歳楽(櫲樟尾神社) 2013 (徒歩)
目的地である伊勢市楠部町にある櫲樟尾神社(くすおじんじゃ)に到着。
本日執り行われるのは『楠部町萬歳楽』で、
「子供みこし」に始まり、
「祭典」が斎行されると
メインイベントである「鬼打ち儀式」および「豊年踊り」、
その後に見学者がもっとも盛り上がる「餅まき」が続き、
最後にはこのようなお祭りでは珍しい大規模な「直会」が実施される。
なお祭典には伊勢神宮から神宮楽師3名と舞女2名が舞いを奉納するそうだが、昨年は祭典が終了してから到着してしまった。
【参考】 20120115の記録
今年こそは祭典を中心に拝観しようと思い9時の到着を目標とし、月讀宮などに寄り道をしつつも9時過ぎには櫲樟尾神社へ到着した。
「鬼打ち儀式」、「豊年踊り」およびそれ以降の行事の詳細については昨年の記録を参考にしていただき、ここでは祭典を中心に紹介する。
神社の正面に向かうと鳥居前には「奉納 櫲樟尾神社」の幟が立てられていた。
鳥居をくぐり、左手にある社標をパチリ。
境内には「楠部町萬歳楽」の幟、
さらに先ほどの鳥居の左手にある入口には「楠部町萬歳楽」の横断幕、そして敷地の中央には正方形の舞台が準備されていた。
舞台の上には「豊年踊り」で使用されるユリが準備されていた。
ユリは三種類あり、踊りの中心に置かれる祭壇と舞方(大人と子供がペア)が担ぐものだ。
【参考】
また、拝殿前へと場所を移すとそこには「鬼打ち儀式」の的になる鬼の絵が準備されていた。
この辺で待機しているとこの鬼の絵を描いたおじさんが本日の予定を事細かに説明してくれた。(感謝)
9:00~ 子供みこし(出発) 楠部町内巡回
10:00~ 祭典
11;00~ 鬼打ち儀式、豊年踊り、餅まき
12:00~ 直会(神様と飲食を共にするため、炊き込みご飯と豚汁の振る舞い)
しばらくすると、神輿を担ぐ子供たちが待機場所から神社の境内へと現れた。
その頃、拝殿では祭典の準備が進められていた。
子供たちは修祓を受けると二基の神輿を担ぎ上げ、順に境内を出た。
一基、
二基。
神社を出ると楠部町の町内を巡回して神社へ戻ってくる。
子供みこしが神社を出たのが9時20分過ぎだから祭典の斎行までは30分以上。定刻の10時まで待ち遠しい感覚を楽しみながら境内で時を過ごした。(行列に列ぶのは苦になるが、こんな待ち時間は苦にならない。本当に勝手なものだ!)
拝殿下、本殿の前方左手には神饌が準備され、
手水舎の左奥にある
祓所には、修祓に用いる大麻と御塩が準備されていた。
社務所では甘酒が振る舞われていたので、
私もいただいた。(温かく美味しかった。ご馳走さま。)
また、社務所の右手、古殿地の隅では「鬼打ち儀式」のための弓矢が準備されていた。
何だかんだで、40分弱が経過。
定刻の10時に太鼓が鳴らされ、祭典が開始された。
社務所前に整列した神職、神宮楽師、舞女、氏子総代、来賓等の参列者(以下、祭員ほか)は
手水舎へ向かい、手水を受け心身を清めた。
続いて、祓所の配置に着くと神職が祓詞を白した。
その後、最初に拝殿下にて御饌等が祓われ、
続いて、祭員ほか、
そして最後に拝観者が祓われた。私も低頭しお祓していただいた。
修祓が終了すると拝殿への参進。
拝殿にて着座すると本殿の御扉が開かれ、続いて献饌。
神宮の舞女も献饌に奉仕していた。
献饌が終了すると
神職による祝詞奏上。(祝詞奏上の間は低頭していたので写真は無し)
次に玉串奉奠。
神職から順に奉奠された玉串は案の上から本殿御門の左側へ立て掛けられた。
そして、拝殿下には敷物が広げられ
楽師の演奏が始まり、舞女が舞いを奉納した。
舞の奉納が終了すると、撤饌。
最後に御扉が閉じられると祭典は終了となった。
祭典が終了したのは10持40分頃。
その後は、萬歳楽のメインイベントの一つである「鬼打ち儀式」に向けて準備が進められた。まずは、弓打ちの前に腹ごしらえをする儀式で食べるひと口大の握り飯。
こちらは舞方が握り飯を食べる場所。
そして重要な弓と矢。
10持50分頃になると遠くに太鼓の音が聞こえ、徐々に近づいてきた。萬歳楽の主役である代表、舞方、長老、に続き太鼓、子供みこしが続き、代表、舞方、長老が鳥居の前に整列した。太鼓は鳥居をくぐって直接境内へ入ったが、
子供みこしは「豊年踊り」の舞台を三周してから参道へ入り
出発する前に神輿が置かれていた古殿地へと戻った。
神輿が落ち着くと、萬歳楽が開始された。代表、舞方、長老が手水舎で手水を受けると
鳥居の前に整列し、神職による修祓を受けた。
続いて拝殿前へ移動すると、代表のみが拝殿へと進み、全員でお参りした。
そして、「鬼打ち儀式」が始まった。
まずは、腹ごしらえの儀式。舞方には各3個の握り飯が準備されていた。
前述のように今日は祭典の拝観に注力していたので、「鬼打ち儀式」については省略ぎみに・・・。拝殿前で行われる「鬼打ち儀式」には多数の見学者。なかでも的である鬼の絵の近くには多数の子供たちが集まっていた。儀式が終了すると太鼓の合図で一斉に鬼の絵を破り、その破片を手に入れるためだ。この破片は厄除けになるそうだ。
腹ごしらえの儀式が終了すると弓矢による「鬼打ち儀式」が始まった。参加者は「豊年踊り」の舞方6名(大人3人、子供3人)で大人、子供の順に交互に登場した。太鼓の合図で登場すると、拝殿と逆側に向いて構えて「萬歳楽」と叫ぶ。すると拝観者が囃子方となり「まーんざらく」と応える。さらに拝殿側に向いて構えても「萬歳楽」、「まーんざらく」、そして最後に的に向かって弓を引いて「萬歳楽」、・・・。(命中) 各人に与えられた矢は3本、このやり取りが3回繰り返された。
「鬼打ち儀式」の一部をパチリ・・・
「鬼打ち儀式」が終わる前に「豊年踊り」の舞台へと移動したので、今年は子供たちが鬼の絵を破るシーンを見ることはできなかった。詳細は先に紹介した昨年の記録で・・・
こちらが初めにも紹介した「豊年踊り」の舞台とユリ(由利)。
舞方が担ぐユリを覗いてみると
こんな感じ。せっち(鏡餅)の上にするめ、にぼし、干し柿、みかんが載っている。
ただ、今年は舞方が担ぐユリには南天の姿は見えなかった。(昨年は載せられていたはず。)
また、ユリの前は舞方が右手の中指で支えるバラオ(麻緒)とわらじ一足も置かれていた。
舞台の近くで待機していると、「鬼打ち儀式」を終えた舞方が登場し、
舞台へ上がり配置についた。
舞方は大人と子供が一組となり、早稲、中稲、晩稲の三組が順番に踊った。
最初の早稲の二人が登場し
バラオ(麻緒)を右手の中指に掛け、
さらに、わらじ一足も右手の中指にかけると
ユリを担いだ。
ユリを担いだ状態で、左回りに舞台を三周。舞方は今年の豊作を祈念し、「祝い言葉」を唱えながら祭壇であるユリを中心として回った。
舞方が「萬歳楽」と唱えると「鬼打ち儀式」と同様に拝観者は「まーんざらく」と応じた。私も写真を撮りながら応えていたら、「萬歳楽」ではない別の台詞に反応してしまった。(失礼)
【参考】
他の二組も同様に踊りを終えると、最後に代表が「萬歳楽おめでとうございます」と締めくくり、萬歳楽は終了となった。
代表、舞方、長老が舞台を下りると、舞台の周囲がざわめき立った。そうだ、これから餅まきだ。舞台の主役は大きな樽やボリ容器を満たしている餅やお菓子が取って代わった。
餅まきの準備が整うと代表、舞方、長老が再び舞台へ戻り、
餅まきが始まった。こんな状況では動物的な本能が優先されるのだろう。写真を撮ることも忘れて餅に手が伸びていた。
大量の餅やお菓子もあっという間になくなってしまった。
餅まきが終了すると舞台の周囲の人混みは瞬く間に消え去った。
御神酒をいただきながらしばらく舞台の周囲で余韻を楽しんでいると、ほどなく舞台の解体が始まった。
伊勢市立四郷小学校での直会(神様と共に飲食する)をいただく前に拝殿へ向かいお参りした。
賽銭箱の隣には鏡餅、そして先ほど奉奠された玉串は本殿の御門の左手に立て掛けられたままだった。
櫲樟尾神社を後にしようとすると舞方を演じた子供たちが記念撮影中だった。(お疲れ様!)
鳥居をくぐり、櫲樟尾神社を後にすると正面付近にある伊勢市立四郷小学校へと向かった。右手に入口へ近づくとこの看板。
萬歳楽直会場所
楠部町萬歳楽保存会
会場へ進むと
かなりの列ができていた。これは途中で私はもっと後ろへ列んだ。
そして直会のためにいただいたのが、温かい豚汁と炊き込みご飯。
冷えきった身体に豚汁はやさしかった。美味しかった。(感謝)
パワーを回復した私はこの後、前から気になっていた「家田地蔵尊 子安地蔵尊」へ向かった。
そして帰宅後にポケットに入っていたものを取り出してテーブルへ。
撮影することも忘れて手にした餅たちだ。
自分で打ったうどんと共に『力うどん』としていただいた。(ごちそうさま!)
【 20130120 の記録 】
- 月讀宮、葭原神社
- 「宇治乃奴鬼神社々域」の石柱(宇治乃奴鬼神社跡)
- 新造された五十鈴橋(五十鈴川)から大土御祖神社へ
- 楠部町萬歳楽(櫲樟尾神社) 2013
- 家田地蔵尊 子安地蔵尊(伊勢市楠部町)