2013年10月06日(日) 伊勢本街道 JR伊勢奥津駅〜正念寺(津市歴史健康ウォーク 美杉コース) (車、徒歩)
津市歴史健康ウォークが美杉を舞台に開催された。この美杉コースは奥津(おきつ)宿から飼坂峠を越えて多気(たげ)宿へ向かう伊勢本街道の一部を歩くものだった。集団で歩くウォーク企画はあまり好きではないが、伊勢本街道を歩ける機会は非常に少ないため迷わずに参加した。申込みは不要で参加費無料。
三重県の街道にはとても興味がある。熊野古道を歩いてからは伊勢神宮のお白石持行事などで忙しかったので街道歩きに意識が向いていなかった。
【参考】
- みえ歴史街道ウォーキングマップ
- 「熊野古道伊勢路図絵」を片手に熊野古道伊勢路を歩いた記録のまとめ
- 第62回神宮式年遷宮 お白石持行事 内宮奉献のまとめ
- 第62回神宮式年遷宮 お白石持行事 外宮奉献のまとめ
熊野古道乃の場合、距離は長いがJRが街道に沿うように走っているので日帰りを重ねれば踏破できる。ただし、伊勢本街道の場合、交通手段がほとんどなくあったとしても利便性が良くない。伊勢本街道にはエスケープルートも少なく(無く)、綿密な計画が必要だ。このように帰りは送迎バスで送ってくれるようなコース設定はありがたい。
マイカー利用者のための駐車場から無料バスで送ってもらい、出発点であるJR伊勢奥津駅前へ到着した。マイカーでの参加者、第一陣はこれくらい。
受付が開始される9持までは時間があったので、駅前を散策。こちらの建物は「JR伊勢奥津駅・八幡出張所・八幡地域住民センター」複合施設となっている。
中央にはのれん。奥津宿では家の玄関にのれんを掛ける活動を進め「のれん街」としても話題となっている。そうだ。
今はまだ名松線の線路が復旧しないため、バスによる代行運転が続けられているJR伊勢奥津駅の待合室にてパチリ。
駅前にある「日通跡」の案内板。
その後ろの店舗にも、のれん。
しばらくするとJR代行バスで参加する一団が登場。と思いきやバスは1台ではなく3台も到着した。
駅前は人だらけ、年に何度こんな風景が見られるのだろう。
定刻となり受付が開始されると参加者はウォークの参加者はそれぞれのペースでスタートした。
私はじっくりと歩くため、まずはJR伊勢奥津駅付近に残されているSL給水塔を見学。昭和40年(1965)までは名松線でも蒸気機関車(SL)が活躍していた。水を蒸気にして走ってきたSLが終着駅である伊勢奥津駅で折り返す前に水を補給した。
その当時、背の高い給水塔に水を汲み上げたのは誰?、いやどんな仕組みだったのだろう? 見上げながら考えた。
SL給水塔の近くには伊勢本街道(奥津宿)の案内板、
さらにその先の左手には「麻雀屋、パチンコ屋跡」の案内板がある。
林業で町が栄えた時期、その賑わいは今の様子からでは想像もできない。時代の変化・・。
スタートしてからなかなか先へ進まなかったので、伊勢本街道へ向かうためここを左折した。向かいでは地元の方がウォーカーに声援を送ってくれた。(ありがとう!)
間もなく次の十字路に到着。道標を見ると左右の道が伊勢本街道、ここが奥津宿で右側が大阪方向にある石名原宿、そして左側が伊勢方向の多気宿とある。
こちらは石名原宿方向、パチリ。郵便局が見える。
そして、直進方向には「若宮八幡宮参道」の道標がある。
ここでは左側へ向かい奥津宿を歩き、まずは正念寺を目指した。奥津宿には昔ながらの家が多い。
さらに、各家の前にはこのような行燈が置かれ、
玄関などの出入口には
のれんが掛けられている。
奥津宿ではとても多くののれんを見かけたので網羅することはできないがその多くを撮影したので別の記録にまとめた。
【参考】
- のれん街(伊勢本街道 奥津宿)
先へ進むと左手には銀行跡の案内板、
さらに
空き地の隅には郵便局跡の案内板がある。
跡には面影もなくなっているので、・・・。
さらに進むと街道は左へ曲がっている。
曲がる手前には森林組合跡の案内板。
街道が左へ曲がる場所で正面に見えるのが「ぬしや」、その前には奥津宿の説明板があった。
こちらが「ぬしや」、ラウンドした建築だ。
関宿で見かけた建物を思い出した。
【参考】
ぬしやの中央にはガラスケースがあり、そこには往時を偲ばせる品々が展示されていた。
ぬしやそ過ぎると右へカーブした。右手には立派な蔵。
蔵を過ぎてさらに進むと丁字路に出た。
丁字路をパノラマでパーチリ。
右から来て正面へ進んだ。
丁字路に立っていたのが次の道標。須郷のおんばさん、飼坂峠方向だ。
道標から見える先には宮城橋がある。
これから先は職人街と書かれている。
宮城橋をパチリ。
橋を渡ってパチリ、いい雰囲気だ。
近くの道標には手書きの「伊勢本街道」も。
この辺りから道路、いや道の幅が狭くなった。
ここでは縁側に商品を列べて販売中、多くのウォーカーが立ち寄っていた。のれんには「かすけ」とある。
狭い街道を多くのウォーカーが数珠つなぎになっていたので、少し距離をあけて・・・。
ほどなく「延命地蔵菩薩 おんばさん、須郷の里」の案内板がある場所へ到着。休憩用のベンチが準備されている。
この脇から山側へ進むと右手に茶畑、その奥に
延命地蔵菩薩が祀られていた。
こちらが「おんばさん」の説明版。
おんばさんから伊勢本街道へ戻ると先ほど通り過ぎた建物をパチリ。昭和25年まで営業していた旧旅館「中北家」だった。
街道をさらに進んだ。
左手の視界が開け、右手には「歴史の道 伊勢本街道」の看板と広場。
右手の広場を通り過ぎる辺りでかなり年季が入った「おいせまいり」札を見かけた。
この札は伊勢本街道保存会が付けているもので、街道上にはかなりの数の札が設置されているはずだ。私も何度も見かけたことがある。(感謝)
【参考】
街道は左へ緩やかにラウンドし
再び民家が現れた。
谷口集会所を過ぎると
その先左側に谷口常夜燈がある。
この常夜燈の台石は四つ足になっている。
谷口常夜燈を過ぎて橋を渡るとカーブの左側に
正念寺がある。
コンクリート舗装の坂道を足元に注意しながら進むと
鐘楼を兼ねる山門には「圓通」と刻された扁額が掛けられていた。
お参りを済ませた後、鐘楼を兼ねる山門をパチリ。
山門をくぐり返して参道を下ると振りかえてパチリ。山門を見上げた。
谷口常夜燈の方を見るとボランティアガイドと地元の方の話が弾んでいるようだった。
正念寺を後にすると次は飼坂峠を目指した。
【 20131006 の記録 】
- 伊勢本街道 JR伊勢奥津駅〜正念寺(津市歴史健康ウォーク 美杉コース)
- 伊勢本街道 正念寺〜(飼坂峠)〜上多気常夜燈(津市歴史健康ウォーク 美杉コース)
- 上多気常夜燈〜(北畠神社)〜多気宿 町屋(津市歴史健康ウォーク 美杉コース)
- 伊勢本街道 多気宿 町屋〜道の駅「美杉」(津市歴史健康ウォーク 美杉コース)
- 美杉ふるさと資料館
- のれん街(伊勢本街道 奥津宿)